ウズベキスタンの旅 3日目:サマルカンド能公演
ホテルで朝食をとり、10時にホテルを出ます。
1)再び、シヨブ・バザール
朝なので、昨日よりも活気があります。
あんずの種、りんご、梨を買いました。
サマルカンドのナンを食べたかったのですが、大きすぎて、食べきれなさそうなので、断念。食べたかったな~。
2)ペーパー工房
クルマで、紙すき工房に連れて行ってもらいます。
作り方は、和紙と同じようです。
すべて手作り。昔ながらの方法で、作っているようです。
とても、光沢のある、美しい紙です。
紙を大理石でなめらかにするのを、体験させてもらいました。
中庭には、休憩所のようなところがあり、バザールで買ったあんずの種を食べ、お茶をいただきました。近くには、雁の親子がいました。
こちらのお茶は、日本と同じ緑茶です。やはり、お茶は落ち着きますね。
3)昼食
昼食は、ドライバーのサファールさんおススメの地元レストランに、連れて行ってもらいました。
お肉を選んで、焼いてもらいます。靴を脱いで、外で食べる食事は、格別です。
4)スーパーマーケット
食事の後は、スーパーマーケットで、今晩の夕食用にパンやトマトや水を買いました。
売っているのは、外国製のものばかり。
お高めです。
観光はここまで。
能公演のリハーサルが始まるので、レギスタン広場へ行き、ドライバーのサファールさんと別れます。
能楽師の皆様に会い、荷物持ちをして、シェルドル・メドレセに入ります。
席を確保して、リハーサルの様子を見学。
能舞台のリハーサルを見る機会は、ほとんどないので、とっても貴重な経験です。
リハーサルと言っても、すべてをやるのではなくて、少し、合わせてみる、という程度。
すぐにリハーサルは終わり、しばらくすると、お客様がぞくぞくと入ってきます。
わたしたちは、夜に向けて、防寒対策をはじめます。
半袖、カーディガン、アームウォーマー、フリースの上着、風を通さないパーカー、スカーフ。
これでも、寒かったです・・・。
そして、月明かりの下、歴史的な美しい建築物の中庭で、能公演がはじまりました。
能「羽衣」
狂言「棒しばり」
能「猩々乱」
本番が始まり、シテが出る前に、いきなり真っ暗に!
町全体が停電になったようです。
スタッフたちは、慌てて、懐中電灯を探し、サマルカンド市長自らが発電所に電話をかけた、という状況だったと、後で聞きました。
能は一度はじまったら、何があっても、やめない芸能です。
まわりの動揺とは裏腹に、真っ暗な中、まったく動じる様子もなく、能が続いていきます。
でも、シテ柱が見えない状態は、能面をつけたシテにとっては、危険極まりないことです。
そんな中、突然、清冽な笛の音が、シェルドル・メドレセに響き渡りました。
一管「獅子」です。
後見にいらした藤田次郎先生が、とっさの機転で、笛を吹き始めたのです。
笛は詳しくなくて、よくわからないのですが、次郎先生に習っている友人が、震えるほど感動しはじめたので、先生の「獅子」を聴けるのは、すごいことのようです。
しばらくすると、電気もつき、そのまま能が続きました。
暗闇の中で演じられる能を観る、という不思議な経験まで出来てしまい、なんだか、お得な気分になりました。
能「羽衣」の後は、狂言「棒しばり」。
笑いは、全世界共通なのですね。言葉がわからないだろうに、笑いがおき、見せ場では拍手がおきました。
最後は、能「猩々乱」。
どれも、見事な舞台でした。
能舞台の後は、伝統的なウズベキスタンの民族舞踊が披露されました。
能楽師の皆様が、舞台で花束をもらっていて、これまた珍しい光景でした。
サマルカンド市長の最後の挨拶で終わり、打ち上げがあるというので、予期せず合流させていただくことになりました。
大使館の担当の方もいらして、互いの苦労をねぎらわれていました。
2時間ほどで、会食が終わり。
レストランから、タクシーでホテルに帰る予定が、サファールさんが迎えに来てくれました。ありがたいです。
【使ったお金】
バザール 3,000スム
紙お土産 12,000スム
昼食 19,000スム
スーパー 3,500スム
ドライバーさん 20ドル
昼食代は、ヨロキンくんの分を2人で支払ったので、一人分はもっと安いと思います。
ドライバーのサファールさんは、この日の足代を値切られたというのに、夜、迎えに来てくれました。とっても親切な方です。